2025年2月17日(月)

LCAってご存知ですか?

LCAってご存知ですか?

家を建てるとき、「デザイン」や「間取り」、「コスト」を重視する方が多いですが、最近では「環境への影響」も大切なポイントとして注目されています。その際に意識してみたいのが、LCA(ライフサイクルアセスメント)という考え方です。今回は、LCAが家づくりにどのように関わるのかをご紹介します。

■ LCAとは?

LCA(Life Cycle Assessment)とは、建材の製造から施工、使用、解体・廃棄までのライフサイクル全体を通じて環境負荷を評価する手法です。従来の環境評価では、建築時のCO₂排出量やエネルギー消費に注目しがちでしたが、LCAでは原材料の採取から最終的な処分・リサイクルまでを含めた長期的な影響を分析します。

2024年4月には、欧州にて延べ床面積1,000㎡以上の新築建物に対し、生涯CO₂の算出と開示を2028年から義務付けることが決定されました。日本でも同様の制度の検討が開始されているそうです。

■ 省エネな家づくりと何が違うの?

日本では過去数十年の間で、省エネ建築の性能表示制度や技術革新によって、建物の断熱性能が高まり、冷暖房などのエネルギー使用量を抑える取り組みが進んできました。
しかし、これらの取り組みはライフサイクルの真ん中、居住(運用)の部分だけが対象とされています。LCAの視点を取り入れると、グレーエネルギー(材料調達や製造、輸送にかかるエネルギー)や耐久性、リサイクルの可能性などを考慮した総合的な取り組みが必要となるのです。

■ 家づくりにおけるLCAの重要性

家は長く使うものだからこそ、LCAの視点を取り入れると、以下のような点を考慮することが大切になってきます。

① 建材の選び方
木材・コンクリート・鉄などの建材には、それぞれ製造や輸送時に異なるCO₂排出量があります。LCAを考慮すると、国産の木材、地元の木材を使用することで輸送によるCO₂排出を抑えることができます。また、再生可能な素材を選ぶことで環境負荷を低減できるといった選択も可能になります。

② 省エネ設計の工夫
これはすでに日本国内でも積極的に進められていますが、冷暖房のエネルギー消費を抑えることは長期的なCO₂排出を削減できます。

③ 解体・リサイクルの視点
家を建てるとき、解体時のことまで考える方は少ないかもしれません。しかし、将来的に建物を解体するときに処分に困らない素材や工法、リサイクルしやすい素材を選ぶことで廃棄物を減らし、環境負荷を軽減できます。

以上の3つのポイントをふまえると、建築地に近いところの木を使用して、高気密・高断熱の住まいで、解体の時にも廃棄物の少ない家、が LCAの視点を取り入れた住宅だといえそうです。(ん?まるで創伸の木の家!とつい思ってしまいました。)
昨年の10月に社員でいかせていただいた欧州研修では「木」と「土」という伝統的な素材を使うことがキーポイントで、グレーエネルギーの低さや高い蓄熱性能、調湿性能があることを学びました。これらの素材を接着剤でペタペタ貼っているようでは、その素材を使う意味も無くなってしまうので、精巧な職人の技が必要となります。

何より人間がずっと身近に感じてきた「木」や「土」といった素材は、人の健康にも良く、運用において省エネができる上に、結果的に建物の寿命(耐久性)も高め、メンテナンスや修理もしやすく、使用後もリサイクルが可能という、一石何鳥なんだ!?という素材なんですね。

「環境負荷がかからない」ということは、まわりまわって私たちの「お財布」や「健康」にも負荷がかからないということ。家を建てた世代だけでなく、次のお子さんやお孫さんたちが建てた家をどうするのか、考える時にも影響してきます。

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