10 もっと住まいを知る 耐震性について

住宅の耐震等級ってなんでしょう?

日本は地震の多い国です。だからこそ、住まいの耐震性は、とても重要なポイントです。現在、国の基準では、建物の強度、安全性を3段階の耐震等級で示しています。等級1は、建築基準法で定められた、建物に備わっているべき最低限の耐震性能を満たしていることを示します。阪神淡路大震災や熊本地震のような、数百年に一度起こる大地震で倒壊、崩壊しない強度を持つ構造です。等級2は等級1の1.25倍、最高ランクの等級3は1.5倍の強度があることを示します。等級2以上は、節税効果のある長期優良住宅の認定条件の一つです。この耐震等級は、家を建てるときにお客さまで選べるようになっています。近年、住宅メーカーは耐震等級3の家づくりをしているところが多くみられ、セールスポイントになっている項目です。

耐震性能を確保するために行われていること

耐震性を考えるときに重要なのは、耐震等級を確保するために、どのように施工しているのかということです。耐震性を決める指標は4つあります。建物の重さ・耐力壁・耐力壁や耐震金物の配置場所・床の強度です。建物の重さは、軽いほうが揺れの振幅も小さいので、軽量な木造住宅は耐震性能を強化しやすいと言われています。耐力壁は、揺れや風などで生じる横からの力に抵抗できるとされています。また、各階の耐力壁や柱をバランスよく配置することで、その効果を最大限に発揮できます。そして、大きな地震がきたときに、耐力壁がしっかりと踏ん張れるよう、床の強度が求められます。

耐震性を高めるために使われている材料の現状

現在、高い耐震等級にするために、住宅業界では構造用合板を使用することが多いです。構造用合板を壁や床に打ち付けることで、耐震性を確保しているのです。しかしこの構造用合板は薄い木の板を接着剤で貼り合わせた合板ですから、例え基準値以下であったとしても、接着剤から放出されたホルムアルデヒドや溶剤によって、目が痛くなったり気分が悪くなったりすることがあります。気密性を高くした家は、特にその症状が心配されます。また、構造用合板の弱点は、湿気に弱いこと。温度差による結露や湿気の多い場所では合板の剥離が起こり得るのです。築25年以上の住宅で、床がぶよぶよになってきたという例もあります。

構造用合板を使うことのデメリット

その理由は、構造用合板は20年から30年の性能しかないからです。たとえば、柱や梁が100年もつ本物の木で、合板は20年とか30年しか性能がない場合、耐震性能は、建てた時点では満点ですが、30年後にはゼロということになります。合板がまったく機能しなくなるからです。合板は、製造過程で接着剤を使用して全体を固めます。接着剤が幕を張り空気を通さないので、透湿性はゼロです。合板を張るということは、いくら自然素材を使っても、合板で空気をシャットアウトしているので、そこに湿気が溜まります。そうして、表面が時間の経過とともにペリぺりと剥がれてくる。合板は、湿気にとても弱いので、山陰の気候に合っていないのです。

建材は、100年後を見据えて選ぶことの重要性

約200年建っていたお寺や古民家を解体して木組みを見たときに、やはり、こういうふうに作ってあるから耐えてきたのだと感心することがあります。机上の数値だけの耐震性が、100年、200年後に残っているでしょうか?ですから、創伸は、どこの部分にも構造用合板は使いません。鳥取県の間伐材で作った透湿性のある杉の幅はぎ材を使用しています。耐震等級3がどういう施工で、どのような建材を使っているのか、そこをしっかりと確認することが20年から30年後に後悔しない家づくりにつながります。

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